2025年9月16日〜30日
【美術館】
クリスティーズは、DIC川村記念美術館所蔵の作品を委託販売する契約を締結したと発表した。ピエール=オーギュスト・ルノワール、マルク・シャガール、アンリ・マティス、ヘンリー・ムーアなどの作品が含まれるが、中でも注目すべき作品はモネの油彩画「睡蓮」(1907年)で、最低予想落札価格4000万ドル(約59億円)となっている。作品はこの秋の目玉オークションの一環として出品される予定だ。-ARTnews
中国南西部、雲南省と四川省の境にある瀘沽湖畔に、中国初の女性芸術家専門の女性芸術美術館(MOWA)がオープンした。500平方メートルの敷地面積を誇るこの美術館は、開館記念展「La Barca Leggera(光の船)」でスイス出身の中国人アーティスト、羅明俊の作品とスイス人詩人アルベルト・ネッシの詩を展示している。MOWAは展覧会の開催に加え、中国初の女性芸術アーカイブ・研究センターの設立を目指しているという。-ARTASIAPACIFIC
https://www.artasiapacific.com/news/weekly-news-roundup-september-26-2025/
【アートマーケット】
低迷から急成長へ:アート市場を再編する7つのトレンドとは。9月に発表されたArtnetの「Intelligence Report」によると、2025年上半期の美術品オークションの売上高は前年同期比で8.8%減少し、1ロットあたりの平均価格は6.5%下落した。これは過去10年間で最低の半期水準である。1,000万ドル以上の高値圏では需給が厳しい状況だったが、サザビーズのカルピダス・コレクションが予想を上回る高値で落札されたことや、オークションハウスが2つの優良コレクションの売却を発表したことなどから、勢いは変わりつつある可能性がある。記事では慎重ながらも楽観的な見方を裏付ける7つのトレンドを紹介する。-Art Basel
https://www.artbasel.com/stories/from-slump-to-surge-7-trends-reshaping-the-art-market
2025年上半期のオークションにおける美術品販売額は47億ドル(約6,948億円)で、2024年の同時期と比較して8.8%の減少だった。この弱気相場で高額の傑作はほとんど出品されておらず、昨年の同時期と同様に5,000万ドル(約74億円)を超える価格で落札された作品はなく、4,000万ドル(約59億円)を超える価格で落札された作品はわずか2点だった。 3,000万ドルから4,000万ドル(約44億〜59億円)で落札された作品は3点あったが、2024年の同時期には4点だった。-artnet
https://news.artnet.com/market/intelligence-report-auction-sales-first-half-2025-2683745
若手アーティストや新進アーティストの作品の価格が高すぎると多くの人が考えることに関して、最近議論が盛んになっている。そんな中、アドバイザーであり、ベアー・ファックスの創設者でもあるジョシュ・ベアー氏がその答えを提示した。氏によると「評判の良いギャラリー」で開催される「超新進気鋭」アーティストの初個展にコレクターが支払うべき最高額は、大型作品で1万5000ドル(約222万円)、小型作品で5000ドル(約74万円)だという。-ARTnews
【アートマーケット:香港】
クリスティーズ、フィリップス、サザビーズの香港イブニングセールの合計売り上げは1億3,600万ドル(約201億円)となり、昨年秋の同時期の2億860万ドル(約307億4,900万円)を大きく下回った(但し、昨年秋の売上は豪華な新本社ビル、ザ・ヘンダーソンで行われたクリスティーズの初開催オークションによって押し上げられている)。ピカソ、草間彌生、奈良美智、シャガールといった著名なアーティストの作品は好調だった一方、数年前には香港で記録を更新していた「超現代」アーティストの作品は低調だった。-ARTnews
【ギャラリー】
カリスマ性があり、大胆不敵で、型破りな80歳のディーラー、ラリー・ガゴシアンは、常に前進を続け、新たな取引を待ちわびている。彼に後継者計画はあるのか?ーどうやらなさそうだ。ガゴシアンは今を生き、それは彼が愛し、大切にし、そして深く思いを巡らせている多くのアート作品を売ることを伴っている。ギャラリーの成長ペースはほとんど衰えを知らず、彼がしっかりと舵取りをしてその支配権を手放すことはないことは間違いないだろう。-artnet
https://news.artnet.com/market/kenny-schachter-gagosian-hockney-galleries-2691277
(このリンク先の↑最初の写真の右から3人目は私ですね。懐かしい)
1980年代のアート界で最も影響力のある女性の一人と言われたメアリー・ブーンが、1980年代ニューヨークのアート界の巨匠たちと共に華々しく復帰。ウォーホル、バスキア、クーンズといった巨匠たちをフィーチャーする、レヴィ・ゴルヴィ・ダヤンの80年代をテーマにした展覧会に共同キュレーターとして参加する。この展覧会では、バスキアの荒削りなダウンタウンのキャンバスからフィッシュルの物語的なフィギュレーション、バーバラ・クルーガーのテキスト作品まで、60点以上の作品が展示されることになっている。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/mary-boone-downtown-uptown-2690509
今年創業50周年を迎えたロサンゼルスで最も長く営業しているギャラリー、LAルーバーが、カリフォルニア州ベニスのギャラリーでの一般公開を終了すると発表した。今後はプライベートディーリングやポップアップ展など新たな段階へと移行し、主にウェストアダムズ地区のジェファーソン・ブールバードにある倉庫を拠点に活動するという。ビジネスモデルの変更に伴い、ギャラリーは膨大なアーカイブをサンマリノのハンティントン図書館に寄贈する予定だ。-THE ART NEWSPAPER
https://www.theartnewspaper.com/2025/09/16/la-louver-gallery-closing-venice-california
【中東】
10月1日と2日、サザビーズはアブダビで、同社が中東で開催する美術展の中で最も高額な展覧会を行う。総額約1億5000万ドル(約221億7,500万円)とされるこの展覧会は、UAEでのサザビーズ初の公開美術展でもある。注目作品はフィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、フリーダ・カーロ、ルネ・マグリット、カミーユ・ピサロ、エドヴァルド・ムンクによる6点の傑作で、サディヤット島文化地区にある私立のバッサム・フライハ美術財団で開催される。-ARTnews