2025年9月1日〜15日

【美術館】
今秋は各地で新しい美術館が次々とオープンする。ナイジェリアのベニンシティにある西アフリカ美術館が全面開館し、カザフスタンのアルマトイ美術館も同国で新たなプログラムを開始する予定で、同国のアートシーンの発展を目指している。一方ニューヨークでは、ハーレムのスタジオ・ミュージアムとニュー・ミュージアムの2つの美術館が再開館する。一方、老舗の美術館も精力的に活動していて、ルーヴル美術館のジャック=ルイ・ダヴィッド回顧展なども注目されている。 そこで、記事ではこの秋見逃せない80の美術館展とビエンナーレをご紹介する。

https://www.artnews.com/list/art-news/news/fall-2025-must-see-art-exhibitions-egypt-yayoi-kusama-1234750074/ulises-beisso-my-private-world-at-museo-de-arte-latinoamericano-de-buenos-aires


アムステルダムのゴッホ美術館は、オランダ政府が同美術館が不可欠だと主張する計画的な維持管理工事への資金提供を拒否したことを受け、法的措置を講じた。同美術館は、1億2100万ドル(約177億9,700万円)規模の「マスタープラン2028」プロジェクトへの資金提供を文化省が拒否したことで、60年以上前にゴッホの相続人と交わした約束を破ったと主張している。-artnet

https://news.artnet.com/art-world/van-gogh-museum-dutch-state-funding-legal-action-2681520


【オークションハウス】
サザビーズが開催するアブダビ・コレクターズ・ウィークの真の狙いは、アートではなくラグジュアリー市場の獲得のようだ。12月3日から5日にかけて開催されるアブダビ・コレクターズ・ウィークは同社にとって初の高級品目別オークションシリーズで、F1マシン、史上最速のアストンマーティン、巨大なダイヤモンド、希少なロレックスなど、数々の高価な逸品が競売にかけられる。サザビーズは、このオークションがアブダビ・グランプリ、ミルケン・インスティテュート中東アフリカサミット、アブダビ・ファイナンス・ウィーク、そしてビットコインMENA(中東・北アフリカ地域)と同時期に開催されることにより大きな話題を呼ぶことを期待している。-ARTnews

https://www.artnews.com/art-news/opinion/abu-dhabi-collectors-week-sothebys-luxury-market-not-art-1234751693


【アートフェア】
インディペンデント20世紀アートフェアが一般公開を終了したわずか数時間後、サザビーズは2026年版を、マンハッタンの歴史的なブロイヤー・ビル(旧ホイットニー美術館)に間もなく旗艦店となるサザビーズの本社ビルで開催すると発表した。この移転でフェアの展示スペースは50以上のギャラリーへと大幅に拡大することになり、現代アート市場においてアートフェアとオークションハウスが提携する初の試みとして注目を浴びている。-ARTnews

https://www.artnews.com/art-news/news/independent-20th-century-breuer-sothebys-1234751137


9月3日から6日まで、高級住宅街である江南のCOEXセンターで開催された第4回フリーズ・ソウルは、28カ国から121の出展者が参加し、160以上の主要美術館や機関の代表者を含む7万人の来場者を集めた。記事では、リウム美術館でのイ・ブル氏のダイナミックな回顧展や、年間を通して展覧会を開催し異文化交流を行う専用スペース「フリーズ・ハウス・ソウル」のオープンなども同時期となった今年のフリーズ・ソウルの盛り上がりを7つのハイライトで紹介する。-Galerie

https://galeriemagazine.com/highlights-from-frieze-seoul-2025/


【アートマーケットレポート】
Artnetの2025年中間レポートより、未だ流動的な市場を検証する。レポートのマーケットプレイス分析とデータダイブによると、年半ばの時点で、アート市場は依然として低迷しているが、安定化の兆しが見え始めている分野もある。オークションにおける100万ドルから1,000万ドルの価格帯の美術品の売上高は13.8%増加、オールドマスターの売上高も24.4%増加した。対照的に、超現代美術市場は昨年の下落に続き31.3%の急落となり、この新興セグメントの見直しが急務となっている。-artnet

https://news.artnet.com/market/mid-year-review-2025-2684554


【コレクション売却】
億万長者でラスベガス高級リゾート王のエレイン・ウィン氏が亡くなってからわずか数か月後、クリスティーズ・ニューヨークは、ウィン氏が所有していた19世紀、20世紀、そして21世紀の美術コレクションを11月にオークションに出品すると発表した。落札総額は7500万ドル(約110億2,000万円)を超えると予想されており、出品作品にはディーベンコーン、ターナー、レジェ、ジョアン・ミッチェルなどが含まれるという。-artnet

https://news.artnet.com/market/elaine-wynn-collection-christies-2685896


【デジタルアート】
クリスティーズはデジタルアート部門を閉鎖し、デジタル担当副社長のニコール・セールス・ジャイルズ氏と袂を分かったと報じられた。クリスティーズの広報担当者は、同社が「デジタルアート販売の再構築という戦略的決定」を行ったと述べ、これを認めた。また、部門としては閉鎖するが、20世紀および21世紀のアートというより広いカテゴリーの中でデジタルアートの販売を継続していくとも付け加えている。 クリスティーズは2021年にBeepleの「Everydays: The First 5000 Days」を6,930万ドル(約102億2,000万円)で落札し、デジタルアート作品の最高値記録を樹立するなど、2021年から2022年のNFTブームの火付け役として広く評価されていたが、わずか4年の程での方向転換となった。-ARTnews

https://www.artnews.com/art-news/market/christies-reportedly-closes-digital-art-department-1234751156


【ギャラリー経営】
LAのダウンタウンにあるインディーズアートギャラリー「スーパーチーフ」が閉店の危機に瀕している。10年以上にわたりパンクロッカー、グラフィティライター、ストリートフォトグラファー、地元出身のファインアーティスト、そしてカウンターカルチャーに興味を持つ人々が集い、アートを称える場所としての地位を確立してきたスーパーチーフだが、COVID-19パンデミック後の回復に苦戦しているダウンタウンの他のストアと同じく、運営資金を十分に集められなければ今月中に閉店せざるを得ない可能性があると共同創設者のビル・ダンリービー氏は述べている。-Los Angeles Times

https://www.latimes.com/business/story/2025-09-07/superchief-gallery-closing-bill-dunleavy-crowdfunding-patreon-eviction-september

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2025年8月1日〜31日