2026年4月16日〜30日
【美術館】
ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)は、1億8000万ドル(約286億3,600万円)を投じて建設された新施設「V&Aイースト」の開館をもってロンドン東部への拡張プロジェクトを完了した。V&Aイーストはすでに一般公開を開始している。V&Aイーストは世界各地から集められた280万点を超える収蔵品を保管しており、世界有数のコレクションに現代との驚くべき共鳴を見出し、若い世代や地元の人々を再び惹きつけることを指名としていると、同館の上級キュレーターは述べている。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/va-east-opening-2766616
ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)の新館、デイビッド・ゲフィン・ギャラリーが、4月19日に会員向けに、5月4日に一般公開される。他の美術館が多様性を重視する、よりグローバルな美術史を受け入れる中、新LACMAもその流れを受け継いでいる。そこでは数世紀にわたる作品が互いに並び立ち、同じ年代に制作された作品であっても地理的に全く異なる文脈で制作されたものが共存する、まさに画期的な試みがなされているのだ。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/reviews/lacma-david-geffen-galleries-review-1234781676/
カナダのオンタリオ州政府は、オンタリオ美術館(AGO)とロイヤル・オンタリオ博物館(ROM)の運営資金として年間2,100万ドルを追加投資することを決定した。2026年度オンタリオ州予算「オンタリオを守るための計画」の一環として発表されたこの新たな資金は、これら2つの文化遺産があらゆる年齢層や興味を持つ来館者に向けて、世界レベルの展覧会、プログラム、アクティビティを提供し続けることを目的としている。-Ontario
【アートバーゼル】
スイスの開幕まであと2か月となったアート・バーゼルでは、新たな取り組みが話題となっている。「バーゼル・エクスクルーシブ」と名付けられたこの企画は、ギャラリーがフェア開催前に顧客に送付するPDFプレビューから、少なくとも1点、場合によってはブース全体の作品を非公開にするというもの。プレスリリースによると、この企画はアート・バーゼルの「最大の魅力の一つである、最高レベルの環境で、最も優れた作品を直接鑑賞できる機会」をさらに強化することを目的としており、人々がメッセプラッツまで足を運び、実際にアートを体験することを期待している。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/art-basel-basel-exclusive-initiative-1234782365/
【プライベートセール(相対取引)】
オークションハウスでプライベートセールの割合が急増している。サザビーズは2020年以降、毎年11億ドルから13億ドル(約1,748億6,000万〜2,070億円)のプライベートセール売上を上げており、これは同社の年間総売上高の約4分の1を占めている。クリスティーズも同様に、2025年の最も高額な絵画3点はすべて非公開で販売されたという。3件の売却はいずれも昨年の最高額オークション落札額(6,210万ドルで落札されたマーク・ロスコの絵画「No.31(イエローストライプ)」)を上回ったという。クリスティーズは2025年に15億ドル(約2,390億円)相当の美術品を非公開で取引し、全世界の売上高の4分の1弱を占めた。これらの作品のうち17点が1,500万ドル(約24億円)以上で落札され、購入者の50%は新規顧客だったという。-ARTnews
【デジタル技術・復元】
戦争の惨禍で失われた数百点の絵画―ルーベンス、パオロ・ヴェロネーゼ、アンソニー・ヴァン・ダイク、カラヴァッジョなどの作品を含む―が、ベルリン美術館のデジタル化プロジェクトにより、まもなくオンラインで閲覧可能となる。同美術館が誇る巨匠たちの絵画コレクションは、第二次世界大戦末期に発生した2度の火災で被害を受けた。しかし、1925年に開始された写真記録キャンペーンで撮影された高解像度ガラスネガから作成されたデジタル画像によって、これらの作品はある意味で蘇ろうとしている。-ARTnews
【輸送費高騰】
美術品輸送業者は、米国とイスラエルによるイラン攻撃の影響を深刻に受けており、特にアジア地域で輸送コストの上昇と輸送ルートの大幅な混乱に見舞われている。中国の美術品物流会社トップスペース・アートサービスによると、戦争開始直後の数週間で、美術品の国際航空輸送コストは最大300%も急騰したという。輸送の遅延によって一部の展覧会は変更を余儀なくされている他、アート・バーゼル香港で展示予定だった作品がアブダビからの輸送途中で1か月以上も海上に足止めされるなどアートフェアも影響を受けている。-ARTnews
【カルダー展ルイヴィトン財団】
カルダーの革新的な作品300点以上を展示する展覧会がパリのルイ・ヴィトン財団にて開催中だ。「Calder: rever en equilibre (カルダー:均衡の中で夢を見る)」と銘打たれたこの展覧会では、黒、赤、グレー、白など、色とりどりのモビールが数多く展示され、建物全体に優雅なバレエを踊るように配置されている。床には巨大で抽象的でありながらも人間のような形をした彫刻が点在し、さらには妻のために制作された50点の手作りのジュエリーを展示するコーナーもあるという。展覧会は2026年8月16日まで開催中だ。-Galerie
https://galeriemagazine.com/landmark-calder-exhibition-goes-on-view-fondation-louis-vuitton/
【LA 閉店】
マリアン・グッドマン・ギャラリーは、現在開催中のタシタ・ディーンの個展が4月25日に終了するのに伴い、ロサンゼルス拠点での活動を一時停止する。今後はニューヨークとパリにある歴史的な拠点に活動を集約するという。昨今一流ギャラリーの閉鎖が相次いでおり、ブルムやL.A.ルーバーは昨年LAのギャラリーを、ロンドンを拠点とするティモシー・テイラーは3月にニューヨークの拠点を閉鎖している。これらは依然として議論が続いている不安定なアート市場に起因するとされている。-ARTnews
【マネキン】
ファッションマネキンのほとんどはサイズ2程度が使われているが、今年のメットガラ展は多様な体型に目を向けた展示を行うという。実在の様々な体型の人物をモデルにしたマネキンは、コスチューム・インスティテュートの春の展覧会「コスチューム・アート」で展示される。これは何世紀にもわたる美術における着衣の身体を考察する展覧会に、ボディ・ポジティブの要素を加えるための取り組みの一環だという。-The Associated Press
【デジタル技術・再表現】
シカゴ美術館(AIC)本館には唐代彫刻の中でも最高傑作の一つと言える、725年から750年の間に制作された菩薩像が鎮座している。しかしこの像は左腕が肘から下の部分が完全に欠損しているため、解釈の余地が残されている。今回AICのアジア美術プリツカー講座教授であり中国美術キュレーターでもあるタオ・ワン博士と、トスカーナに拠点を置く彫刻工房、テン・エックスの共同プロジェクトにより、7軸のABB製ロボットの力を活用し菩薩像を基にした2体の大理石彫刻を制作、それぞれ欠損した腕と手の異なる可能性を再表現した。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/ten-x-art-institute-of-chicago-2748515