2025年5月1日〜15日
【アートフェア】
フリーズの親会社であるエンデバー・グループ・ホールディングスは、エンデバーの元CEOアリ・エマニュエル氏が設立した新会社にフリーズを売却した。フィナンシャル・タイムズ紙によると、取引は今年第3四半期までに完了する見込みで、同社の評価額は約2億ドル(約294億円)とされている。発表によると、フリーズの現経営陣はCEOのサイモン・フォックス氏を含め、新会社に留任する。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/news/frieze-sale-ari-emanuel-1234740348/
フリーズ・ニューヨークが開幕した。今年はフリーズとTEFAFの米国版の開催期間が被っているためか特に混雑しており、政治的・経済的混乱にもかかわらず好調なスタートとなった。数多くのフェアに加え、NYでは数多くのギャラリーショー、美術館展が開幕、あるいは既に開催中だ。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/frieze-new-york-2025-sales-report-1234741303/
NYで開催中のTEFAFは、オランダで1回、ニューヨークで2回、計3回の開催で、それぞれに著名なコレクターや一流キュレーターから特別な支持を得ている。TEFAFニューヨークの華やかなヨーロッパの雰囲気こそが他のフェアとTEFAFニューヨークを差別化する点と言えるが、オランダを拠点とするTEFAFの運営責任者、ウィル・コーナー氏はこうしたイメージを変えたいと考えている。最近は価格帯の低い作品で活躍するディーラーが最も好調であることから売上の低迷を感じているためだ。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/tefaf-new-york-2025-sales-report-1234741687/
【オークション】
5月のニューヨークオークションには、トップ200のコレクターとアートパトロンが出品者リストに名を連ねている。例えばクリスティーズのダブルヘッダーの1つ、故バーンズ・アンド・ノーブルの創設者であり、ARTnewsのトップ200コレクターでもあったレナード・リッジオ氏とその妻ルイーズ氏の作品に特化したセールだ。他にもサザビーズには美術商ダニエラ・ルクセンブルクのコレクション、故バーバラ・グラッドストーンの遺産、そしてサンフランシスコ近代美術館の作品が、フィリップスには23年に死去したシカゴの実業家レイ・アレンと妻サリーのコレクション、リディア・ウィンストン・マルビンのコレクションの作品が出品されている。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/may-2025-art-auctions-consignors-1234740631/
サザビーズは、インド政府が法的措置を示唆し宝石の返還を要求したことを受け、仏陀に関連する数百点の宝石コレクションのオークションを延期したと発表した。「アショーカ王朝時代、マウリヤ朝の歴史的仏陀のピプラワ宝石」(紀元前240年から200年頃)として知られるこのコレクションのオークションは、仏教学者や僧侶の指導者から批判を浴びている。-Reuters
【美術館】
サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)が、財政難を理由に職員約30人を削減する。2024年度、美術館は360万ドル(約5億2,900万円)の運営赤字を報告しているが、これは前年度の760万ドル(約11億1,700万円)の赤字から減少した。SFMOMAは、デ・ヤング美術館、アジア美術館とともに、ホワイトハウスによる人文科学助成金削減を受け、西海岸の複数の機関とともに重要な連邦資金を失ったばかりだった。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/news/sfmoma-cuts-nearly-40-staffers-amid-labor-talks-1234741174/
【アートXテクノロジー】
サンフランシスコ美術館協会(FAMSF)はベイエリアの他の団体や文化戦略家のアンドラス・サント氏と協力し、世界中の美術館長とテクノロジー企業を招き、2025年版「明日の美術館」ラウンドテーブル(MTR)を開催する。このフォーラムでは、先端技術が美術館の運営と来館者体験をどのように豊かにするのか、そして美術館がテクノロジーを活用するアーティストをどのように支援できるのかを中心に議論が行われる予定だ。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/museums-of-tomorrow-roundtable-2025-2634542
【展覧会】
繊維素材を使用したアートがニューヨークの美術館やギャラリーを席巻中だ。これらのアートの台頭はここ20年ほど前から始まっており、2014年から2023年半ばにかけてこの媒体に特化した美術館展が相次いで開催されている。最近ではメキシコで学んだルース・アサワの回顧展がサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で開幕し、その後全米を巡回する予定だ。記事では今春ニューヨークで開催されるおすすめの繊維関連展覧会を紹介する。-ARTnews
https://www.artnews.com/list/art-news/reviews/fiber-art-new-york-woven-histories-moma-1234740973/
【作品の見方】
現在ニューヨーク近代美術館(MoMA)ではジャック・ウィッテンの荘厳な展覧会が開催されているが、その中でも「9.11.01」(2006年)は近年の絵画の中でも最も力強い作品の一つであり、この抽象画ほど2001年9月11日のアルカイダによるツインタワー攻撃を直接的に表現したものはないと言える。記事ではこの巨大なモザイク画をどう見るかを考察する。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/jack-whittens-9-11-01-moma-2634165