2025年4月1日〜15日
【美術館】
ザ・ブロード美術館の創設理事兼会長であるジョアン・ヘイラーと、共同創設者であり慈善家でもあるエディス・L・ブロードは、2028年に開館予定の美術館大規模拡張プロジェクトの起工式を行った。これによりブロード現代美術コレクションの展示作品数が大幅に増加し、来館者の体験に新たな側面が加わることになる。大幅に拡張された美術館への一般入場は引き続き無料とのことだ。-artdaily
https://artdaily.cc/news/180861/The-Broad-breaks-ground-on-expansion-project
ゲッティ・トラストは、火災や地震などの天災に対する備えを強化するため、5億ドル(約730億4,000万円)の債券を発行する。これは1月に起きたカリフォルニア州の山火事の際ゲッティ・センターも敷地内の植生の一部が焼失するなどの被害を受け、今後の山火事に備えるためで、調達資金は新しいボイラー、灌漑・監視システム、貯水システム、通信システム、緊急管理ソフトウェア、消防設備への投資に充てられる。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/getty-trust-sell-500-million-bonds-fire-protections-2627267
バルセロナの発電所が「ランドアート」に生まれ変わるプロジェクトが進行中だ。建築スタジオ、ガルセス・デ・セタ・ボネット・アルキテクテスとマーベルは、スペインのトレス・ゼメネス発電所を文化・メディアセンターに変貌させるプロジェクト「E la nave va」のビジュアルイメージを公開した。3本の煙突が象徴的なこの発電所は2011年に閉鎖され、今後両スタジオによって改修・拡張された後バルセロナのカタルーニャ・メディア・シティの本拠地となる予定だ。-dezeen
https://www.dezeen.com/2025/04/03/barcelona-power-tres-xemeneies-e-la-nave-va/
【ギャラリー】
ベルリンを拠点とし、過去20年間にわたり多くの新進アーティストの市場を活性化させてきたトレンドを先導するギャラリー、ペレス・プロジェクトがドイツの裁判所から破産宣告を受けた。このギャラリーは、テレンス・コーやダン・コーレンなど、多くの若手アーティストのキャリア形成を支援してきたことで知られている。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/peres-projects-berlin-insolvent-2629006
【アートフェア】
アリ・エマニュエル率いるグループが、エンデバー・グループ・ホールディングスからマイアミ・オープンとマドリード・オープンを含む資産ポートフォリオのオークションを落札した。このコンソーシアムは、ポートフォリオを10億ドル(約1,455億5,000万円)以上で買収する見込みで、同じくエンデバーのテニス資産買収を狙っていたCVCキャピタル・パートナーズを上回った。今回の取引は、四大大会以外で最大のテニストーナメント2つを売却する珍しいケースとなり、グループにあるフリーズアートフェアも含まれているのではないかと噂されている。-Bloomberg
https://archive.md/iZv8a#selection-1157.0-1176.0
【マーケット】
2005年と2024年で最も検索されたアーティストとはー。Artnetが検索数の追跡を開始した2005年に最も検索されたアーティスト15人のうち、ルノワール、ヘンリー・ムーア、エドガー・ドガといった巨匠を含む6人は昨年のリストには載っておらず、5人はランキングを落とした。一方、女性アーティストとして圧倒的な人気を誇る草間彌生は、ジャン=ミシェル・バスキア、奈良美智、ダミアン・ハーストといった常連のアーティストたちと肩を並べ、ランキングを急上昇させた。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/the-most-searched-artists-2005-versus-now-2622855
【アートマーケットレポート】
年次アート・バーゼル&UBSグローバル・アート市場レポートで示された2024年のアート市場の本質:世界のハイエンド・アート市場はパンデミック後の高揚感で2022年に681億ドル(約10兆2500億円)まで押し上げられた後2年連続の減少となり、昨年の売上高は12%減の575億ドル(約8兆4,900億円)だった。-ARTnews
【関税】
トランプ大統領の新たな相互関税がアート業界に及ぼす影響とは。専門家はARTnewsに対し、現在発効している関税と対抗関税、そして将来発効する可能性のある関税が広範囲にわたる影響を与えると述べた。これには美術品、家具、骨董品、原材料、輸送、出荷、イベントのケータリング用品の価格変動、文化交流、旅行活動、海外からの雇用、米国のアートプログラムへの入学などが含まれる。-ARTnews
【保税倉庫】
香港国際空港に美術品保管施設が開設され、今年後半または来年初めにオープンする予定だ。外国直接投資を担当する政府機関である香港投資公社(InvestHK)によると、この温度管理施設は、香港における「ファミリーオフィス向け包括的システム」の一部で、年末までに少なくとも200の大規模ファミリーオフィスを誘致することを目的とした8つの施策の一環であるという。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/news/hong-kong-airport-art-storage-facility-1234737387/
【オークション】
フィナンシャル・タイムズ紙が、サザビーズCEOチャールズ・F・スチュワート氏への多岐にわたるインタビュー記事を掲載した。CEOがサザビーズのより大きな事業にどのように取り組んでいるかなどが語られているが、注目すべきはアブダビの政府系ファンド兼投資会社ADQと10億ドル(約1,455億5,000万円)規模の投資契約を締結したことにより、ADQの株式保有率が25~30%と明らかになったことだ。-ARTnews
【フェルメール】
謎に包まれたフェルメールの絵画「ヴァージナルに座る若い女性」が遺作の可能性があることがわかった。修復作業の結果、絵具の層の間に長石の粒子が存在することが明らかになり、これらの堆積物がフェルメールの故郷であるデルフト焼きの陶器の製造時に生じたものと考えられるため、この作品の年代特定に繋がった。-THE ART NEWSPAPER
【アートアドバイザリー】
アートアドバイザーのラルフ・デルーカが、ギャラリーにとってアートアドバイザーが敵ではない理由と、その関係を最大限に活用するための5つの簡単なステップを解説。時にギャラリーは、クライアントのコレクション構築のために報酬を得ているアドバイザーに対して軽蔑的かつ攻撃的な態度を取ることがある。しかし、アートアドバイザーは敵ではない。アドバイザーと対立するのではなく協力し合うことは、プロセス全体をよりスムーズでスマートに、そして関係者全員にとってより収益性の高いものにするための絶好の機会なのだ。-CULTURED