2026年10月1日〜15日
【マーケットレポート】
アート経済学者のクレア・マクアンドリュー氏が執筆したアート・バーゼルとUBSによる年次グローバル・コレクティング調査の第5版が発表された。今年はいくつかの新たな分野が掘り下げられており、富裕層のコレクターがなぜレクションを始めたのか、また、所有作品へのアクセス(物理的なものかデジタルなものかを問わず)を許可あるいは非公開にすることについてどのように考えているのかを尋ねている。さらに、これらの裕福なコレクターは、昨年と比べて人工知能(AI)への依存度を大幅に高めていることも明らかになった。-ARTnews
【トップ200コレクター 2026年】
過去2回のNYオークションシーズンは、美術市場に希望を与えたように思われる。コンスタンティン・ブランクーシの「ダナイデス」とジャクソン・ポロックの「ナンバー7A」は、いずれも今年5月に1億ドル以上(約158億2,600万円)で、グスタフ・クリムトの「エリザベス・レーデラーの肖像」は、昨年11月に2億3640万ドル(約374億3,228万円)で落札された。今年の「 ARTnewsが選ぶ2026年版トップ200」年次調査では、コレクターにいくつかの質問を投げかけている。中でも最も重要な質問は「何が作品を”トロフィー”たらしめるのか?」というものだ。記事ではその詳細を紹介する。
ARTnewsが選ぶ2026年版トップ200コレクターリスト
【美術館コレクションとコレクター】
美術館がコレクションを拡充する際、必ずしも自力で実現できるとは限らない。特に高価な美術品を入手するには、資金力のある後援者の支援が必要となる場合が多いのが実情だ。以下では、過去12ヶ月間に美術館に著名な美術品を寄贈した7人のコレクターをご紹介する。-ARTnews
https://www.artnews.com/list/art-news/news/top-200-collectors-2026-museum-donations-1234801633/
【新美術館】
パリ近郊のセガン島(旧ルノー工場跡地)に待望の美術館「ル・ラージ」がついにオープンする。このアートセンターは、映画館、ホテル、その他の施設も含む総工費4億5000万ユーロ(約800億5,000万円)の文化開発プロジェクト「ポワント・デ・ザール」の一部で、プリツカー賞受賞歴のあるRCR Arquitectesが設計した。ル・ラージは26,910平方フィートの展示スペースの使い方を様々に変えていく予定で、オープニング展のように美術館全体を使った単一の展覧会を開催することもあれば、「5階で1つ、6階と7階で別の展覧会を開催するなど、複数の展覧会を同時に開催する」こともある。「2シーズン目は後者の形式になるだろう」とディレクターのアイゼンバーグ氏は語った。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/news/le-large-ile-seguin-museum-opening-cecilia-alemani-1234802305/
【個人美術館】
コレクターのプライベートミュージアムのオープンが世界各地で相次いでいる。これらの施設に共通するのは、自慢のコレクションを誇示するための自己顕示欲ではなく、それぞれの地域における既存のアートエコシステムを補完し、強化したいという願望だ。不動産開発業者のレネ・カンポスとアートアドバイザーのサシャ・ゼルビブのオスティロ(テキサス州オースティン)や、ファッションデザイナーのドリス・ヴァン・ノッテンとパートナーのパトリック・ヴァンゲルーウェが、ヴェネツィア大運河沿いに設立したドリス・ヴァン・ノッテン財団など、その内幕を探る。-Galerie
【ピノーコレクション x イタリア】
高級ブランドグループ「ケリング」と投資持株会社「アルテミス」の創業者であり、著名なコレクターのフランソワ・ピノー氏が、1万点を超える美術品コレクションから初の常設展をヴェネツィアにあるパラッツォ・グラッシで開催する。2006年に設立されたパラッツォ・グラッシは、ピノーが手がける他の2つの会場 - パリのブルス・ド・コマースとヴェネツィアのプンタ・デッラ・ドガーナと同様に、通常は企画展を開催している。今回の展示では、54名のアーティストによる106点の主要作品が展示される予定だ。-ARTnews
【日本人女性アーティスト】
知っておくべき日本人女性アーティスト10人:ルクセンブルク近代美術館で「開鳳:1945年以降の日本人女性アーティスト」が開催中だ。この画期的な展覧会にはアーティスト39名による120点以上の作品が一堂に会する。展覧会に併せて英語で出版されたカタログでは、日本国外ではほとんど公開されたことのない作品も含め、これらのアーティストたちが主要な美術運動にどのように貢献したのかをさらに深く掘り下げて再評価している。記事では戦後日本を代表する女性アーティスト10人を紹介する。-Artsy
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-10-japanese-women-artists
【女性アーティスト】
ここ数年、美術館は版画制作にも携わる女性アーティストにますます注目するようになっている。フィラデルフィア美術館は2025年に、ジュリー・メレトゥの記念碑的な版画シリーズ2点をフィーチャーした「イン・フォーカス」展を開催した。女性版画家への注目はアートフェアでも見られ、2025年のIFPDA版画フェアでは、ミカリーン・トーマスにニューヨークのパークアベニュー・アーモリーで版画の可能性を探るサイトスペシフィック・インスタレーションの制作を依頼し、ローラ・オーウェンズ、ルイーズ・ブルジョワといったアーティストが今年のフェアのブースで主役を務めた。しかし、女性版画家の作品市場は注目に追いついているのだろうか?アートネット価格データベースを調査した結果は、単純な価格比較では捉えきれないほど複雑なものだった。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/women-artists-prints-auction-data-2822956
【美術品盗難】
先月、フランスのリヴィエラ地方の美術館から盗まれたルノワールの絵画2点が回収されたと、地元当局が発表した。容疑者6人が逮捕された。9月8日未明、2人組の泥棒が画家ルノワールの旧邸宅であり、現在も市内のルノワール美術館となっている建物に侵入した。彼らは4点の絵画を盗もうとし、結果2点が盗まれた。盗まれた作品 「コロンナ・ロマーノ夫人の肖像」と 「井戸端の若い女性」の合計価値は1000万ドル(約15億8,000万円)と報じられている。どちらもパリのオルセー美術館所蔵で、貸し出し中だった。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/two-stolen-renoirs-worth-10m-recovered-in-france-2822207
【20世紀】
英国人アーティスト兼映画監督であるスティーブ・マックイーンの展覧会が、ビルバオのグッゲンハイム美術館で開催中だ。「66 76 26」と題されたこのプロジェクトは、20世紀を代表する2人の偉大な歌手、ニーナ・シモンとデヴィッド・ボウイが歌う声を重ね合わせたサウンド・インスタレーションで、憧れ、空間、時間についての瞑想を描いていると開幕前夜にマックイーン本人が語っている。会期は2027年2月21日まで。-EL PAIS