2026年9月1日〜15日
【秋の展覧会】
今年の秋に予定されている展覧会には、世界の多くの地域で起こっている混乱と暴力の中でいかに生き抜くかという明確な関心が見られる。パリのピカソ美術館で開催されるクルト・シュヴィッタースの回顧展には「世界の混沌」という副題が付けられるなど、現在の陰鬱な雰囲気が多くの展覧会を過去に目を向けさせ、しばしば修正主義的な視点から過去を見つめさせる原因となっているのだろう。記事ではこの秋に見ておくべき82の美術館展覧会とビエンナーレをご紹介する。-ARTnews
https://www.artnews.com/list/art-news/news/fall-art-preview-1234792473/
【アートフェア】
フリーズ・ソウル2026のベストブース10選:第5回フリーズ・ソウルが9月2日、江南のCOEXで開幕した。30カ国から133のギャラリーが出展した今回のフェアでは、企業幹部、著名人、キュレーター、ディレクターらがVIPデーに会場内を行き交い、ソウルの文化エコシステムにおけるフェアの役割の拡大を象徴していた。記事では選りすぐったベストブース10選をご紹介、また、Artsyによるフリーズ・ソウル初日の売上レポートはこちらで読むことができる。-Artsy
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-10-best-booths-frieze-seoul-2026
【美術館 寄付】
世界的なエンターテイナーであり、起業家、そしてアートコレクターでもあるビヨンセが9月4日に誕生日を迎え、ハーレムにある美術館に200万ドル(約3億円)を寄付した。1968年に設立されたこのニューヨーク市の文化施設は、地元、国内、そして国際的なアフリカ系アーティスト、そして黒人文化に触発され影響を受けた作品の中心地となっている。ビヨンセは長年にわたるアートコレクターであり、アフリカ系ディアスポラの複数の世代のアーティストを支援するという美術館の使命に深く共感しているという。-yahoo!finance
https://finance.yahoo.com/media-advertising/articles/her-birthday-beyonc-makes-2-190000620.html
【アートと政治】
韓国・光州で第16回光州ビエンナーレ「You Must Change Your Life」が開幕したが、台湾パビリオンを承認するかどうかの論争が外交問題へと発展している。6月初旬、ビエンナーレの運営側は台湾館とされていた展示を「NTMoFAパビリオン」に変更した(NTMoFAは国立台湾美術館の略)。これに対し、自治権を持つ台湾を分離独立した省とみなす中国からの圧力に屈しているとして台湾側が抗議。8月中旬、参加者の一部が台湾館の名称を元に戻すよう求める公開書簡に署名し、財団はその要求に応じていた。そして開催直前、中国館の主催者は名称を理由にビエンナーレから撤退すると発表したのだ。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/gwangju-biennale-china-pulls-out-plows-ahead-2806903
【美術館の資金捻出】
パリのピカソ美術館は、計画されている5,000万ユーロ(約89億3,200万円)の美術館改修費用を賄うため、パブロ・ピカソのオリジナルの石膏型から8点の限定ブロンズ彫刻を制作・販売する独占的権利を確保した。-Le Monde (こちらはサブスク登録が必要な記事です)
【中東】
20年もの遅延を経て、12月11日の開館に向けて準備が進められているグッゲンハイム・アブダビに世界中の注目が集まっている。この美術館はドバイから車で1時間ほどの距離にあるサアディヤット島に位置しており、費用は約10億ドル(約1,540億円)のビッグプロジェクトだ。先月美術館はヴァレリー・ヒリングス氏を初代館長に任命しており、彼女はグッゲンハイム美術館が4カ国に展開するネットワークの中で最大の分館を統括することになる。-ARTnews
ゲルハルト・リヒター に捧げられた新しい常設パビリオンが、今秋後半にカタールのドーハにあるイスラム美術館の敷地内、MIAパークにオープンする予定だ。この建物はリヒター自身が設計し、美術界で人気の高いデザイナー、アナベル・セルドルフ率いるセルドルフ・アーキテクツとの共同で建設が進められている。「ドーハ・パビリオン」と名付けられたこの施設は、世界中の現代美術を紹介する新たな4年ごとの国際展「ルバイヤ・カタール」の一環として11月20日にオープンする予定だ。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/news/gerhard-richter-pavilion-quatar-1234797918/
ジュリアンズ・オークションズが、アブダビで大型記念品オークションを開催する。このオークションは12月5日から10日まで開催され、マイケル・ジャクソンのラインストーンがあしらわれた手袋(予想落札価格:4万ドル~6万ドル)や「スリラー」のミュージックビデオに登場したローファー(2万ドル~4万ドル)、ダイアナ妃のラルフ・ローレンのシャツ(1万ドル〜2万ドル)や1995年のCFDAファッションアワードで着用したミッドナイトブルーのキャサリン・ウォーカーのガウン(20万ドル〜40万ドル)など貴重な品々が出品される予定だ。-artnet
https://news.artnet.com/art-world/juliens-auctions-abu-dhabi-celebrity-week-2804291
【オークション買手手数料値上げ】
クリスティーズとボナムズは、いずれも購入者から徴収する手数料をひっそりと引き上げた。オークションハウスが「購入者手数料」と呼ぶこの手数料は落札価格に上乗せされるもので、両社にとって重要な収入源となっている。これらのうちクリスティーズでは、9月1日より、落札価格が150万ポンドまたは200万ドル以下のロットについては落札価格の28%、150万ポンドまたは200万ドルから600万ポンドまたは800万ドル以下のロットについては落札価格の22%、それ以上のロットについては落札価格の15%を手数料として徴収する。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/christies-and-bonhams-quietly-hike-buyers-fees-1234796933/
【オークションハウス現状】
フィリップスでは役員級の退職が相次いでいる。プライベートセールス部門会長のミエティ・ハイデン氏とアジア部門会長のジョナサン・クロケット氏という経営陣の主要メンバーの退任が報じられたが、最近さらに、最高技術責任者のジョセフ・プリンドル氏とグローバル・クライアント戦略ディレクターのキャサリン・ソープ・カー氏も退任したことがわかった。これらの人事はクリスティーズとサザビーズに並ぶ真の第三勢力になろうと努力してきた同社の戦略転換を意味している。-ARTnews
https://www.artnews.com/art-news/market/phillips-departures-strategy-pivot-1234796724/
【美術品市場】
美術市場が二極化し超高額作品市場に偏っていることは周知の事実である。しかしここ数年、その重心はさらに集中し、ごく少数の超富裕層のコレクターがますます限られた数の希少な作品を追い求め、売上のシェアを拡大させている。最近発表された新たな論文は、富と所得の格差拡大が美術市場の「勝者総取り」の構図を単に強化しているだけでなく、積極的にそれを推進しており、その結果、超富裕層に過度に依存する、より脆弱な文化エコシステムを生み出していることを示唆している。-THE ART NEWSPAPER
https://www.theartnewspaper.com/2026/09/01/the-art-worlds-billionaire-problem-is-getting-worse